判員制度ってどんなもの?
平成21年5月までにスタートする裁判員制度。あなたはどの程度、正しい内容を知っていますか? どうやって裁判員に選ばれるのか、どんな裁判を担当させられるのか、知りたいことはたくさんあります。
裁判員制度とは、くじ引きで選ばれた国民が地方裁判所で行われる刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、そして有罪なら量刑はどのくらいが適当かを、本職の裁判官と一緒に決めるという制度です。原則として、国民の中から選ばれた裁判員6人と裁判官3人が実際に刑事裁判の審理に出席し、証拠調べの手続きや弁論手続きに立ち会って評議を行い、最終的に判決を言い渡します。では、なぜこのような制度が生まれたのか。最高裁のホームページでは次のように解説がされています
2007年01月09日03時51分
『これまでの裁判は、検察官や弁護士、裁判官という法律の専門家が中心となって行われてきました。丁寧で慎重な検討がされ、またその結果詳しい判決が書かれることによって高い評価を受け』てきたという。『しかし、その反面、専門的な正確さを重視する余り審理や判決が国民にとって理解しにくいものであったり、一部の事件とはいえ、審理に長期間を要する事件があったりして、そのため、刑事裁判は近寄りがたいという印象を与えてきた面もあったと考えられ』るといっている。つまり、今回の裁判員制度導入のいちばんの理由は、国民に刑事裁判を実際に関わらせることによって、より国民の理解しやすい裁判を実現することにあると考えられます。
どんな人が裁判員に選ばれる?
裁判員は、衆議院議員の選挙権を持っている人から選ばれます。要するに20歳以上の人であれば誰でも選ばれるというわけです。具体的には次のような流れで選ばれます。まず選挙権のある人の中から、毎年、翌年の裁判員候補者となる人を抽選で選び、裁判所ごとに裁判員候補者名簿をつくります。次に、この裁判員候補者名簿をもとに事件ごとに裁判員候補者を選びます。選ばれた人には、裁判所に来る日時が知らされます。
こうして裁判所から呼び出しを受けた人は、裁判所に出向き裁判長から、担当する事件との利害関係の有無や不公平な裁判をするおそれがあるかどうか、辞退を希望するかどうか、また辞退を希望する場合、その理由は何か、などを質問されます。こうして最終的に裁判員として選ばれるか、除外されるかが決まります。
裁判員に選ばれたら辞退できない?
最高裁のホームページによると『裁判員は特定の職業や立場の人に偏らず、広く国民のみなさんに参加してもらう制度ですので、原則として辞退できません』と書かれています。ただし、法律で以下の人は辞退することができます。
1、70歳以上の人。
2、地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限る)。
3、学生、生徒。
4、5年以内に裁判員や検察審査員などの職務に従事した人、および1年以内に裁判員候補者として裁判員選任手続の期日に出頭した人。
5、重い疾病や傷害、同居の親族の介護・養育、事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがあるとき、父母の葬式への出席など、社会生活上の重要な用務があるとき、などのやむを得ない理由があって、裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な場合。
特に5の辞退理由に関しては、個々のケースを裁判所が検討し、判断するようである。裁判員に選ばれてしまうと、よほどのことがない限り、なかなか辞退できないのである。
正当な理由もなく裁判所に行かないと、10万円以下の過料に処せられることがあるそうです。また、裁判員(または候補者)となり、裁判所に行った場合は日当や交通費のほか、家から裁判所まで遠いなどの理由で宿泊した場合は宿泊費が支払われます。
裁判員になったらどんなことをする?
これまでの刑事裁判は、裁判官3人で担当していましたが、裁判員制度が導入されると、原則として裁判官3人に裁判員6人が加わります。さて、実際に裁判員に選ばれた場合、何をするのでしょうか。裁判や法律にまったくの素人でも務まるのでしょうか。裁判員に選ばれると、まずは公判に立ち会うという仕事があります。これは本職の裁判官と一緒に、刑事事件の法廷に立ち会い、判決まで関与することになります。法廷の場では証人や被告人に対する質問などがあります。裁判員でも被告人に質問をすることはできます。そのほか証拠として提出されたものを詳しく調べたり、書類を調べたりします。こうした仕事をすべて終えたら、被告人が有罪か無罪か、また有罪としたらどんな刑にしたらいいかを裁判官と一緒に議論し、決定をします。これを評議と評決といいます。
全員の意見が一致しない場合、評決は多数決で決めます。多数意見とするには裁判員、裁判官のそれぞれ1人以上の賛成が必要となります。これは裁判員の意見は裁判官の意見と同じ重みを持つという意味合いがあります。そして、これらの課程を経て、法廷で裁判長が判決を言い渡した時点で、裁判員の仕事は終わります。
裁判員が担当する刑事裁判ってなに?
裁判員が担当する刑事裁判ってなに?裁判員が担当する裁判は、いわゆる刑事裁判とよばれるもので、殺人や強盗、傷害、窃盗、放火などさまざまです。ただし、地方裁判所で開かれる法廷に限られるほか、刑事裁判の控訴審、民事事件、少年審判などは対象となりません。また、刑事事件は毎年かなりの件数にのぼるため、すべての裁判に裁判員が参加するわけではなく、国民の関心の高い重大な事件・犯罪に限って裁判員が参加することになります。法律に明るくない素人が裁判員に選ばれることもあり、裁判所では制度の実施までにパンフレットを用意したり、充分な説明を行うとしています。
最後に裁判員に選ばれ、無事評決も終わりやれやれと思っていても安心してはいけません。裁判員には秘守義務が課せられていて、評議の秘密や裁判員の職務上知り得た秘密を漏らしてはならないとされています。この義務は裁判員として参加しているときだけではなく、裁判員としての役目が終わったあとでも守らなくてはならず、万一この義務に違反した場合は刑罰が科せられることがあります。
法律や裁判の素人が果して人を裁けるのか? また、一度選ばれるとよほどのことがないと辞退できない、などまだまだ問題の多い裁判員制度。あなたはどう思いますか?(取材/金子保知)
参考サイト
日本の裁判所 http://www.courts.go.jp/
■情報提供・http://www.ladyweb.org



