株安と円高・ドル安の同時進行が止まらない。市場の動揺が良好な実体経済に与える影響を最小限に抑えるよう、政府・日銀は金融市場への警戒を一段と強める必要がある。
東京市場は17日も株価下落の大波に呑(の)み込まれた。米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き問題で始まった世界同時株安から1週間、各国の金融当局は短期金融市場に巨額の資金を供給するなど、懸命の努力を続けているが、混乱は収まっていない。
日経平均株価(225種)は、前日比874円も急落した。3日連続での今年の最安値更新だ。同時株安後の下落幅は約1900円にもなる。(2007年8月18日1時26分 読売新聞)
外為市場では円が急騰し、一時は1ドル=111円台と1年2か月ぶりの円高・ドル安を記録した。同時株安後、約7円も円高が進み、多くの輸出企業が「当面の円ドルレート」と想定してきた115円を一気に突破した。
株式市場では外国系投資ファンドの「売り」が先行した。サブプライムローンで被った損失を穴埋めしようと、利益の出ている日本株を売却した。さらに、低金利の円を借りて高金利の外国通貨で運用する「円キャリー取引」を解消する動きも出て、円高が進行した。
17日は、円高による輸出企業の業績悪化を嫌気して、国内勢も自動車、電機など輸出関連株を売ったため、株価はほぼ全面安となった。株とドルが連鎖的に値下がりする悪循環に陥っている。
「諸悪の根源」とされるサブプライムローンの残高は1兆3000億ドル程度という。13兆ドルを超える米国の国内総生産(GDP)に比べれば、それほど大きな存在ではない。
だが、証券化され、世界中を転々と流通したため、誰がどれだけ保有しているかが不明確になってしまった。ババをつかんだのが誰か分からない疑心暗鬼が、世界的な信用不安を引き起こした。
各国の金融当局は、サブプライムローンの保有実態の把握に努めるべきだ。
日銀は来週、金融政策決定会合を開き、金利の引き上げを協議する。株式と外為市場の動揺が沈静化しない限り、利上げは混乱を拡大することになろう。
株とドルの同時安は、投資と実体経済の両面で、外国への依存度が極めて高い日本の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにした。
株式市場では、売買高の過半を外国人が占め、その動向に一喜一憂する状況が続いている。日本の景気回復は、好調な輸出に支えられている。経済をより安定させるためには、内需をもっと活発にしなければならない。



