2008年11月14日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
ゲンダイネット
●狙いは「再販物件」
マンション不況は底なしだ。不動産大手5社の中間決算では三井、三菱、住友、野村の4社が減益。09年3月期の連結業績予想は全社が下方修正した。
北千住のある高層マンションは、先月から大幅な「価格改定」に踏み切った。このマンションの価格改定は、実は2度目だ。今年7月に16.6%の値引きを発表したが、それでも売れない。そこでもう一段の25.2%の値下げを断行し、今月中に売り切りたい考えだ。
今週は、ある大手マンション業者が在庫を一斉値下げするというニュースが流れ、業界に激震が走った。
不動産経済研究所が発表した首都圏の9月のマンション販売動向を見ると、1戸当たりの平均価格は前月より一気に332万円も下がっている。マンション価格の下落が顕著になっているのだ。
「数字に表れるのは、あくまで売り出し価格。実際の引き渡し価格がどこまで下がっているかは分かりません。水面下では、さらなる値下げが行われていると考えられます」(不動産経済研究所・企画調査部長の福田秋生氏)
もはや個別交渉での100万円単位の値引きは当たり前。決算を控え、これから年末、年度末に向けて、赤字覚悟の大幅値引きが、さらに活発化するのは間違いない。これは、激安価格でマイホームを手に入れるチャンスでもある。具体的に、どうすればいいのか。
「例えば総戸数が100戸の物件で、2戸だけ売れ残っているような場合、個別に大幅値下げしても完売させたいと考える企業はあるでしょう」(東京カンテイ市場調査部・上席主任研究員の中山登志朗氏)
周囲に競合物件があるマンションも、値引き対象になりやすい。家電量販店と同じで、「あっちは○百万円安かった」と、具体的な数字を提示するのがポイントだ。
中堅・新興のマンション業者には、やはりキャッシュがモノをいう。
「資金繰りが苦しいディベロッパーは、少しでも現金収入が欲しい。“キャッシュで買うから半額にしろ”というムチャな要求が通ったケースもあると聞きます」(不動産ライター)
全額キャッシュは無理でも、頭金を多めに入れれば値引き交渉を有利に進められそうだ。
最近、暗躍している「再販業者」の物件にも注目したい。資金繰りがタイトなディベロッパーにとって、在庫を大量に抱えるリスクは大きい。かといって、「価格改定」で一斉値下げすると、すでに購入を決めた人は不満を感じ、下手するとキャンセルされてしまう。
そこで、売れ残り物件をまとめて再販業者に譲渡するわけだ。別の業者が安く売るなら、購入済みの人も文句は言えまい。
「最初の販売価格の5割で買い、7割で再販売する。買う側から見たら当初の3割引きですね。同じ物件なのに売り主がかわっていたら再販物件です」(業界関係者)
再販事業には、明和地所や東急リバブルなども参入し始めた。立地や設備が気に入ったら、検討する価値はありそうだ。
(日刊ゲンダイ2008年11月11日掲載)



