朝日新聞
12月1日から、刑事裁判で犯罪被害者が被告人に質問したり、求刑したりできる被害者参加制度が始まる。来年5月に始まる裁判員裁判でも被害者が参加する場合がある。「大きな一ページ」「支援体制を充実させて」。長年、望んできた制度の船出を前に、被害者らによる集会が30日、都内各地で開かれ、理解と支援を求める声があがった。
被害者参加制度は12月1日以降に起訴される事件から適用される。有罪判決が出ると、同じ裁判長が損害賠償額を決める制度も同時に始まる。対象となるのは、殺人や傷害など故意の犯罪で人を死傷させた事件のほか、強姦(ごうかん)や自動車運転過失致死傷、監禁、略取誘拐などだ。
全国犯罪被害者の会(あすの会)は「被害者参加・損害賠償命令を明日にひかえて」と題して千代田区で大会を開き、約200人が参加した。
岡村勲代表幹事は「会の発足から9年。最も力を入れてきた被害者参加制度と損害賠償命令制度がいよいよ実施される。裁判から疎外される被害者の苦しみは私たちで終わりにしたい」とあいさつした。
一方、被害者参加制度に懸念を示してきた「被害者と司法を考える会」も29、30の両日、台東区で学習会を開いた。交通事故で息子を失った片山徒有代表のほか、弁護士や研究者ら約30人が集まり、「法廷で加害者を罰する前に、被害者の経済的、精神的な苦しみを和らげるための支援制度を作るべきではないか」などと話し合った。
特に、裁判員制度については「被害者には悲しみにへたり込み、事件を受け止められない人もいる。裁判員には、弁護士や検事から被害者の状態を丁寧に説明すべきだ」などの意見が出た。(市川美亜子、河原理子)



