【ニューデリー=永田和男】インド・ムンバイの同時テロ事件で、同国情報機関が今年初めの段階で、パキスタンを本拠とする組織ラシュカレ・タイバによる攻撃計画があるとの情報を得ていた可能性が高まり、事件防止に結びつけられなかったとして野党による政府攻撃が強まっている。
テロ情報については、襲撃されたタージマハールホテルを所有するラタン・タタ会長が、警告があったと明かしているが、1日付「ヒンドゥスタン・タイムズ」紙は、2月に北部ウッタルプラデシュ州で逮捕されたラシュカレ・タイバの男が、昨年11月末から約2週間ムンバイに滞在して高級ホテルや主要駅、証券取引所を偵察したと供述していた、と報じた。
同紙は、この男を尋問した捜査官の話として、男がホテルの構造などを調べて、ラシュカレ・タイバのモハメド・ムザミル作戦指揮官に報告していたとし、パキスタン・ラホールの同指揮官と男の間のひんぱんな電話交信も確認されたという。男は、ムンバイには船での侵入を計画していることも明かしていたという。
この情報が2月以降どう処理されたかは不明だが、インドでは過去のテロ事件でも、中央政府の情報機関と州政府、警察当局の連携の悪さが問題になっており、野党インド人民党幹部のアドバニ元副首相は「テロ対策に不まじめ」と政府批判を強めている。
ジョン・マクローリン元米中央情報局(CIA)副長官もCNNの番組で、「インド側に情報提供しても各機関が共有したがらない傾向がある」と苦言を呈している。シン首相が11月30日に新設を表明した「連邦捜査局」も、情報共有など関係各機関の連携推進が重要任務になる見通しだ。
(2008年12月1日22時21分 読売新聞)



