徒然流Blog

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タイ:深まる国民分断 タクシン派、新党で対抗へ

【バンコク藤田悟】タイ憲法裁判所の2日の判決でソムチャイ政権が崩壊したことで、タイ政治はさらに混迷を深めた。政権退陣を求めて空港を占拠してきた反政府団体が「勝利」を叫ぶ一方、実質的な審理もないままの憲法裁の判決に、政府支持者らは「司法によるクーデター(政権転覆)だ」と反発を強めている。国民の分断は深刻さを増し、タイは国家的危機を迎えている。

 バンコク国際空港を占拠する「民主市民連合」のデモ隊は判決に「我々の勝利だ」と歓声を上げた。一方、政府支持者たちは「不公平な判決だ」と批判し、バンコク都庁舎前で抗議集会を続けている。

 解党判決は事前に予想されていた。憲法裁判所は、タクシン元首相派と反タクシン派の対立が激しくなった06年以降、タクシン政権時代の与党の解党やサマック前首相の失職など、「タクシン派つぶし」への加担とも受け取れる判決を連発していたからだ。

 現在の政治対立は、タクシン政権時代に利権を侵食されたタイの伝統的支配層が復権をもくろみ、市民連合を「前線部隊」として「政界からのタクシン派の放逐」を図ったことが最大の要因だ。司法界のトップエリートである憲法裁判事は、旧支配層に近い人物が主流を占めている。

 また、タクシン政権を崩壊させた06年9月のクーデター前の政治混乱の際、プミポン国王が最高裁判事らに対して、混乱打開に司法が役割を果たすべきだとの訓示をしたことが、司法界の姿勢に大きな影響をもたらしている。

 与党側は解党判決を想定に入れて新党「タイ貢献党」を受け皿として準備している。政府広報官は「連立6党の結束には変化はない」と強調し、週明けにも新首相の指名を目指す方針だ。

 解党に伴う3与党役員の政治活動禁止により、与党6党の議員数は37人減って279議席となったが、下院(定数480)の過半数は確保し、新首相の擁立は可能だ。首相候補にはチャルーム保健相らが有力視されている。

 与党筋によると、海外逃亡中のタクシン元首相は与党議員らに「戦い続けるよう」指示したという。しかし、タクシン派は2度にわたる解党判決で計148人の政治活動が禁止され、党内の人材は払底している。新政権を樹立しても、極めて困難な政権運営が予想される。

 市民連合は2日、2空港と首相府の占拠解除を発表したが、「再びタクシン派政権を作る動きがあれば、抗議行動を再開する」と警告。元首相の信任が厚い強硬派のチャルーム氏が首相候補になれば対立再燃は必至だ。

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