2008年12月23日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
ゲンダイネット
数字だけが独り歩き――。19日、政府が決めた「生活防衛対策」のことである。何しろ額がすごい。金融安定化策や雇用対策など総額43兆円規模だという。NHKは「これまでに打ち出したものと合わせ、75兆円規模の経済対策を進めるとしています」と報じた。
これまでに明らかになっている世界各国の景気対策は、中国54兆円、EU24兆円、米国15.6兆円など。いつのまにか日本はこれらを上回って世界最高になっているではないか。ところが、この「総額43兆円」「75兆円規模」を真に受けてはいけないという。与党関係者がこう説明する。
「政府の経済対策の総額は加速度的に膨らんでいます。8月下旬に福田前首相が発表した“緊急総合対策”が11.7兆円。10月末に麻生首相が発表した“生活対策”が27兆円。そして今回まとめた“生活防衛のための緊急対策”が43兆円。この中には重複分がありますが、トータルで75兆円規模ということになるのでしょう。ただ、これらはあくまで事業規模。財政支出が伴う“真水”は、このうちの11兆円強に過ぎない。水増し発表もいいところです」
しかも、緊急対策と言っているものの、その多くは第2次補正予算か09年度予算での財源の手当てが必要なため、緊急対策とは名ばかりだ。
「今回、銀行等保有株式取得機構による株式買い取り枠を過去の2兆円から一気に20兆円に増額しますが、これも第2次補正予算が前提。雇用対策総額は1兆1000億円ですが、これだって年内に実施できるのは、解雇後の非正規労働者に社宅を継続利用させた事業主への補助など一部に過ぎない。選挙を意識した実効性のないバラマキに過ぎません」(経済ジャーナリスト)
大マスコミは、そんな実態をほとんど伝えず、事業規模を大々的に喧伝(けんでん)しているから、事情が分からない国民は真に受けてしまう。だまされてはダメだ。
(日刊ゲンダイ2008年12月20日掲載)



